釣ったタコの締め方|急所の見極め・下処理・鮮度を保つコツまで解説

タコボーイがタコを絞める様子を描いたキャラクターイラスト
目次

🐙 釣ったタコはなぜ締める必要があるのか

タコ釣りでの最大の楽しみは、やはり自分で釣ったタコを新鮮なうちに食べることです。美味しさを最大限に引き出すためには「締め」が欠かせません。理想を言えば釣った直後に締めるのがベストですが、実際の釣り場では手返しを優先して「まとめ締め」するケースが大多数です。

🎯 締めを行う主な理由

  • 鮮度を保つ:神経活動を止め、身質の劣化を遅らせます。
  • 食感を守る:死後硬直のタイミングをコントロールし、硬くなりにくくします。
  • 旨味を逃がさない:ドリップ(旨味を含む水分)の流出を最小限に抑えます。

⏱️ 実際はどうしてる? まとめ締めが主流なワケ

  • 1杯ごとに締めると時間ロスが大きく、手返し(仕掛けの再投入)が落ちる
  • 道具の持ち替えや手洗いで段取りが中断される
  • 時合いを逃さず効率的に数を狙える

📝 まとめ締めの流れ

  1. 釣れたタコは海水を入れた容器に入れて生かしておく
  2. 釣りの合間や終了前に、まとめて急所を突いて締める
  3. 締めたらすぐに氷水で急冷する

🐙 タコは脱走の達人! 生かしておく時の注意

タコはわずかな隙間からでも逃げ出します。

  • 目の細かいネットや、チャック付きバケツに入れて活かしておく。
  • 容器の固定や転倒防止を徹底する。

高水温時は酸欠・ストレスで身が硬くなりやすいため、海水はこまめに交換し直射日光を避けましょう。

🎯 タコの急所と見極め方

タコを確実に締めるためには、まず急所の位置を正確に把握することが最重要です。急所を外してしまうと、締めが不完全になり、身の硬さや鮮度に影響が出ます。

🔍 急所はどこにある?

タコの脳は、目と目の間のわずか数センチの位置にあります。目と目を結んだ線の真ん中が目安です。タコの種類や個体によって若干の差はありますが、ほとんどのケースでこの位置を狙えば問題ありません。

見極め方のポイント

  • タコを平らな場所に置き、頭(胴)を少し押さえて安定させる
  • 目と目を結んだラインを意識し、その中央を狙う
  • 白く濁った膜の下に神経があるため、やや垂直方向を意識

👀 急所を外すとどうなる?

急所を外すと、タコは部分的にしか白くならず、動き続けます。この状態は半分だけ締まっていると呼ばれ、旨味保持効果が低下します。再度中央を狙って締め直しましょう。

📌 成功のサイン

  1. 全身が短時間で白く変色する
  2. 動きがピタリと止まる
  3. 吸盤の動きも止まり、触手が弛緩する

💡 コツまとめ

✅ 目と目の間の中央が基本位置

✅ 迷ったら「中心をやや下から突き上げる」イメージ

✅ 成功サインを確認してから次の工程へ進む

🔪 タコの締め方 基本手順

タコを美味しく保つための「締め」は、基本の流れさえ覚えれば誰でも実践できます。ここではもっとも確実で安全な手順を、道具別にご紹介します。

✨基本の流れ

  1. 釣ったタコを平らで安定した場所に置く
  2. 目と目の間の急所を確認
  3. 道具(ナイフ・ピック・ハサミ)を垂直または適切な角度で突き刺す
  4. 全身が白く変色し、動きが止まれば成功

🔪ナイフで締める場合

  • 刃は横向きにして急所を一気に突く
  • 刃を横にすることで、貫通時に急所を確実に断つことができる
  • 短めの折りたたみナイフがおすすめ(長すぎる刃は制御が難しい)

📍ピックで締める場合

  • タコ専用ピック、またはフィッシュピックを使用
  • 突き刺すだけなので初心者にも安全
  • 軽量で持ち運びやすく、道具箱に入れておくと便利

✂️ハサミで締める場合

  • 刃先を急所に差し込み、軽く握って切断する
  • 動きが止まり全身が白くなれば成功
  • ハサミは力加減がしやすく失敗が少ないため女性や子供にも向いている
  • ※内臓、クチバシ等の処理考えてもハサミが一番便利なので、次章で詳細を追記します。

💡安全のための注意

✅ 急所を狙う時は必ずタコを固定してから作業

✅ 滑り止め手袋の着用を推奨

✅ 波打ち際や船上では足元に注意

✂️ ハサミを使った簡単タコ締め術

タコの締め方はいくつかありますが、最も簡単で安全なのがハサミを使う方法です。特に初心者や女性、子供でも扱いやすく、短時間で確実に締められます。

🔍 ハサミ締めの魅力

  • 安全性が高い:刃の露出が少なく、手元が安定する
  • 力加減がしやすい:挟むだけなので余計な力が不要
  • 時短効果:慣れれば5秒以内で締め完了
  • 汎用性:締めだけでなく、そのまま下処理にも使える

📝 手順

  1. 釣ったタコを平らな場所に置く
  2. 目と目の間の急所を確認
  3. ハサミの先端を急所に差し込む
  4. 軽く握って急所を切断
  5. 全身が白く変色し動きが止まれば成功

📌 成功のチェックポイント

  • 全身が素早く白くなる
  • 吸盤が動かなくなる
  • 触手が弛緩して力が抜ける

💡 追加のコツ

✅ ハサミはステンレス製で錆びにくいタイプを選ぶと長持ち

✅ 先端が細いハサミの方が急所を狙いやすい

✅ 締め後、そのまま内臓やクチバシ処理に移行できる

✅ 締めが成功した時の反応失敗例

タコの締めは、成功か失敗かが見た目でわかるという特徴があります。特に「白くなる」現象は最もわかりやすいサインです。

🎯 成功時の反応

  • 全身が短時間で白く変色する
  • 吸盤の動きが完全に止まる
  • 触手が弛緩し、力が抜けてクタッとした状態になる

これは、急所を正確に突いたことで神経活動が停止し、筋肉の収縮が終わるためです。

⚠️ よくある失敗例

  • 半分だけ白くなる:急所を外している可能性が高い
  • 動きが続く:急所への刺激が不十分
  • 色の変化が遅い:弱い力で刺している、または刃先が浅い

🔄 失敗時の再チャレンジ方法

  1. もう一度目と目の間の中央を確認
  2. 今度は垂直方向を意識して深く刺す
  3. 刃物の場合は横向きにして神経をしっかり断つ
  4. 再度全身の白化と動き停止を確認

💡 覚えておきたいポイント

✅ 「白くなる」現象は神経の完全停止を意味する

✅ 半白状態は鮮度保持効果が半減するため必ず再締めを

✅ 失敗を恐れず、確実な締めを優先

🪶 頭を裏返して内臓を取る方法

タコは締めた後、そのまま持ち帰るよりも内臓を現場で処理しておくと、自宅での作業がグッと楽になります。特に夏場や長時間の持ち帰りでは、内臓を取っておくことで鮮度保持にもつながります。

🔍 内臓処理をする理由

  • 鮮度保持:内臓は傷みやすく、放置すると身にも影響
  • 臭み軽減:内臓に含まれる内容物が腐敗の原因になる
  • 自宅での手間削減:帰宅後は潮洗い(ぬめり取り)だけで調理可能

📝 手順

  1. タコを締めた直後に作業開始
  2. 頭(胴体)部分を手で持ち、裏返す
  3. 内側にある内臓を指またはハサミで取り出す
  4. 軽く海水で洗い、余分な汚れを落とす

💡 裏返し方のコツ

✅ 頭の付け根部分を軽くつまみ、指で押し込むようにひっくり返す

✅ 大きいタコは片手で押し込み、もう一方の手で外周をめくる

✅ ハサミを併用すると内臓の切り離しがスムーズ

⚠️ 注意点

  • 海水で洗うのは軽く。洗いすぎると旨味成分が流れる
  • 砂浜では砂が付着しやすいので、バケツやタライで作業
  • 気温が高い日はなるべく早くクーラーに収納

🦷 タコのクチバシを取る方法

タコの中央、足の付け根部分にはクチバシ(口器)があります。これは非常に硬く、調理時に残っていると食感を損ねるだけでなく、怪我の原因にもなります。そのため、釣り場で内臓処理と一緒に取り除くのがおすすめです。

🔍 クチバシを取るメリット

  • 食感向上:硬い部位がなくなり、口当たりが滑らかに
  • 安全性:調理中や食事中の怪我防止
  • 下処理短縮:家での解体作業がスムーズ

📝 手順

  1. タコの足の付け根部分を上に向ける
  2. 中央の丸い硬い部分がクチバシ
  3. 指またはハサミの先で押し出すようにして外す
  4. 外れにくい場合は、ハサミで周囲の筋を軽く切ってから押し出す

💡 作業のコツ

✅ クチバシは上下2枚が噛み合った構造になっている

✅ 両側から押すと外れやすい

✅ 指が滑らないようにゴム手袋を着用

⚠️ 注意点

  • 力を入れすぎてタコの足を傷つけない
  • 刃物を使う際は必ずクチバシの周囲だけを切る
  • 外したクチバシは尖っているので廃棄時にも注意

👀 タコのを取る方法

タコの目は食用部分ではないため、下処理の段階で取り除くのがおすすめです。特に煮物や刺身で提供する場合、見た目の美しさや衛生面でも効果があります。

🔍 目を取るメリット

  • 見た目の改善:目が残っていると調理後も目立つ
  • 下処理短縮:家での作業が減り、調理がスムーズ
  • 臭み防止:目の周囲にある組織が腐敗や臭いの原因になることも

📝 手順

  1. タコの頭部を上にして置く
  2. 目の位置(胴体の両側)を確認
  3. ハサミの先で目の周囲を円を描くようにカット
  4. 目を丸ごと取り外す
  5. 海水または真水で軽く洗う

💡 作業のコツ

✅ 小型タコは指で押し出す方法も可能

✅ 刃物使用時は深く切りすぎないよう注意

⚠️ 注意点

  • 目の周囲には皮膚が硬いため、手元を十分に注意
  • 切った部分から身が裂けないよう、力加減を調整
  • 取り除いた目は早めに廃棄し、他の食材と接触しないようにする

🎯 釣り場で全処理して持ち帰る完全保存法

タコは釣り場で全処理してから持ち帰ることで、自宅での下処理時間を大幅に短縮できます。また、生ゴミもほとんど出ないため、清潔で効率的です。

📝 手順の流れ

  1. 締める:目と目の間の急所を突き、全身が白くなるまで確実に
  2. 内臓除去:頭を裏返し、内臓を取り出す
  3. クチバシ除去:足の付け根中央の硬い口器を押し出す
  4. 目の除去:左右の目をハサミでカット
  5. 袋詰め:ジップ袋やポリ袋に入れて密閉
  6. 急冷:氷の入ったクーラーボックスに収納

💡 この方法のメリット

  • 帰宅後は潮洗いするだけで調理可能
  • 生ゴミが出ないので臭いや処理の手間がない
  • 鮮度を極限までキープできる

📌 保存時のポイント

✅ 氷は直接タコに触れないようにタオルや袋で覆う

✅ クーラーの水分はこまめに排出してドリップを防ぐ

✅ 夏場は氷を多めに用意しておく

⚠️ 注意点

  • 処理用のハサミやピックは常に清潔に保つ
  • 海辺での作業は滑りやすいため足元に注意
  • 処理したタコは直射日光を避けて保管

🏁 まとめ

タコは釣った後の処理で、鮮度・食味・調理のしやすさが大きく変わります。本記事では、釣り場で行える締め方から内臓・クチバシ・目の除去、そして完全保存法までを解説しました。

📚 全工程の振り返り

  1. 釣ったら活きてるうちに締める(目と目の間をピンポイント)
  2. 内臓を取る(頭を裏返してスッキリ)
  3. クチバシを外す(足の中央の硬い口器)
  4. 目を取る(見た目・衛生面向上)
  5. 袋に入れて急冷保存(氷締めで鮮度保持)

💡 ポイント

  • 処理は迅速かつ確実に行う
  • 道具は事前に準備して清潔に
  • 釣り場で全処理すれば、自宅での作業は潮洗い(ぬめり取り)のみ

✨ 最後に

「釣ったら活きてるうちに締める」——たったこれだけで、タコの美味しさは格段にアップします。さらに内臓・クチバシ・目を処理しておけば、帰宅後の手間も減り、鮮度抜群のまま調理に移れます。ぜひ次回の釣行で試してみてください🐙✨

🍽️ おまけ:イカ墨は食べるけどタコ墨は食べない理由

釣りや調理の経験が少ない方からすると「イカ墨は料理に使うのに、タコ墨はどうして使わないの?」と疑問に思うかもしれません。実はこの違いには、味・量・用途という3つの理由があります。

1️⃣ 味の違い

  • イカ墨:旨味成分(アミノ酸)が豊富で、加熱すると香ばしくコクのある味に変化。
  • タコ墨:旨味が少なく、やや生臭みやえぐみが目立つ。

2️⃣ 量の違い

  • イカ:大きな墨袋を持ち、料理に使える量がたっぷり。
  • タコ:墨袋は非常に小さく、1杯から取れる量はほんのわずか。

3️⃣ 用途の違い

  • イカ墨:パスタ・リゾット・スープなど幅広く利用され、独特の黒色と風味が料理に深みを与える。
  • タコ墨:料理に使っても色が強い割に旨味が薄く、レシピがほぼ存在しない。

💡 安全性について

タコ墨に毒はありません。ただし、食材としての魅力や用途が限られるため、一般的には捌くときに破らないように取り除くのが基本です。

📌 おまけのまとめ

イカ墨は旨味の宝庫として世界中で愛されますが、タコ墨は量・風味・用途の面から料理に向きません。タコを美味しく食べるためには、墨袋は丁寧に外し、他の部位を活かす調理法を選びましょう。

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