船タコ釣りにおける“誘い”の重要性
船タコ釣りにおいて、釣果を大きく左右するテクニックのひとつが「誘い」です。タコはじっと待っているだけではなかなか釣れません。仕掛けをどのように動かしてアピールするかが、釣果の分かれ道になります。
タコは好奇心が旺盛で、目による視覚や、腕で感じ取る感覚(触感や化学的な感知)を使って周囲の変化を察知しています。つまり、仕掛けをうまく動かして刺激を与えることで、タコの好奇心を引き出し、「なんだこれは?」と近づかせることができるのです。
ただ底にエギを落として放置するだけでは、タコに発見されないまま終わってしまうことも。タコが興味を持つような動きを意識して誘うことが、釣果への第一歩です。

タコは刺激に反応するんじゃ。うまく動かして「気になる存在」になってみよう!
また、誘いは「タコをエギに近づける」だけでなく、「抱かせるタイミング」をつくることも目的です。素早く動かしっぱなしではタコが乗る隙がなく、逆にチャンスを逃してしまうこともあります。
誘い方には様々なパターンがあり、組み合わせ方も釣果に影響します。次の章では、代表的な誘いパターンとその特徴を詳しく見ていきましょう。
代表的な誘いパターンとその特徴
船タコ釣りでは、エギをどう動かすかによってタコへのアピール力が変わります。ここでは代表的な誘い方を紹介し、それぞれの特徴と使いどころを解説します。
①ズル引き
海底にエギを着底させたまま、ゆっくりと海底を引きずる誘い方です。タコの目の前を自然に横切るような動きになるため、広い範囲にアピールできます。潮の流れと船の動きに合わせて、仕掛けをコントロールしましょう。

タコボーイ:ズルズル〜っと、まるでカニが歩いてるみたいに見せる感じだね!
②コツキ(小突き)
竿先で軽くトントンと小刻みに動かし、エギを小さく跳ねさせる誘いです。エギが海底に当たることで音や振動が生まれ、タコにとって「何かいるぞ?」と興味を引きやすくなります。
③跳ね上げ
やや大きく竿を持ち上げ、エギを跳ねさせる動きです。強い動きで目立たせることができるため、広範囲のタコに気付かせやすいのが特長です。ただし連続で跳ね上げ続けると、タコが抱きつくタイミングを失ってしまうため、適度な間が必要です。
④ステイ
エギを動かしたあとにしばらく止める誘いです。跳ね上げや小突きで注目を集めた後、「ピタッ」と静止させることで、タコが抱きつくチャンスを与えます。タイミングによっては最もヒットしやすい瞬間にもなります。

止めることも立派な“誘い”じゃ。タコは動きが止まった時に「いまだ!」と来ることも多いぞ。
⑤組み合わせの誘い
実際の釣りでは、これらの動きを単独で使うよりも、複数を組み合わせて展開するのが効果的です。
- 跳ね上げ → ステイ
- コツキ → ステイ → ズル引き
- ズル引き → 跳ね上げ → ステイ
どの順番が正解かは、状況によって異なります。船が流れている中で、海底の地形や潮の速さ、タコの活性に合わせて変化をつけていくことが大切です。

ボクはまずズル引きして、アピールできたかな?ってとこでステイするよ!
次章では、こうした誘いをどう試し、状況に合わせて見極めていくのか、具体的な実践方法を紹介します。
誘いパターンを探る!試し方と見極め方
船タコ釣りでは、最初から正解の誘い方が分かっているわけではありません。タコの活性や潮の状況、船の流れ方などによって、有効なアクションがその日ごとに変わります。だからこそ、「誘いパターンを探る」ことが重要です。
まずは自分でいろいろ試してみよう
釣れない時間が続いても焦らず、ズル引き・跳ね上げ・小突き・ステイをいろいろ組み合わせて、パターンを試してみましょう。ポイントは、少しずつ“変化”をつけて反応を見ることです。

同じ誘いばかりしててもダメなんだね!ズル引きばっかりじゃ飽きられちゃうかも…
周囲の釣れている人をよく観察しよう
自分で誘いパターンを試すことも大切ですが、もう一つ大事なのが「周りを見る」ことです。船に乗っている他の人が釣れている場合、その人がどんな動きをしているか観察してみましょう。
竿の動かし方、止めている時間、しゃくる回数など、ヒントが隠れているかもしれません。

釣れてる人の誘い方をマネしてみるのも修行のうちじゃぞ。意外な発見があるかもしれん!
潮の速さや底の状況に合わせて調整しよう
潮が速いときはエギの流れ方も変わります。ズル引きが難しい状況では、こつきや跳ね上げをメインにして、ステイ時間を短めにするなど、アプローチの微調整も大切です。
また、根がかりしやすい底なら跳ね上げを多めにし、砂地ならズル引き中心にするなど、地形も意識しましょう。

なるほど!海の状況で釣り方も変わってくるんだね!
ヒットが出たら、その誘いをしばらく継続
誘いの組み合わせを試す中でタコがヒットしたら、その直前の動きをしっかり覚えておきましょう。例えば「ズル引き → ステイ → 跳ね上げ」で釣れたなら、同じパターンをもう数回繰り返して、再現性を確認するのがポイントです。
釣れた動きをベースに、その日の“正解パターン”を自分の中で構築していきましょう。

釣れた誘い方は忘れんようにのう!同じことをやると連発もあるぞい!
誘いにメリハリを!“アピール”と“抱かせる間”の使い分け
タコ釣りにおいて重要なのは、「誘い続けること」ではなく、「メリハリのある誘い方」です。タコに気づいてもらうためのアピール、そしてタコがエギに抱きつくタイミングを与える“間”のバランスが釣果を左右します。
跳ね上げはアピールの主力!でもやりすぎ注意
跳ね上げは視覚・振動でタコに強くアピールできる手法です。エギを底から大きく跳ねさせることで、海底に隠れたタコの好奇心を刺激します。
しかし、跳ね上げを繰り返しすぎると、タコがエギを抱くタイミングがなくなってしまいます。アピール後には、しっかり“止め”の時間を設けましょう。

ずっとピョンピョン動かしてたらダメなんだね!止まってるときにタコが来るんだ〜
止め方はいろいろ!ズル引き・ステイ・小突きで“抱かせる間”を作る
跳ね上げのあとは、以下のような“止め”のアクションを組み合わせて、タコがエギを抱く時間を与えましょう。
- ズル引き:ゆっくりエギを底で引きずり、タコに「エサが動いている」と思わせます。
- ステイ:エギを完全に静止。タコが抱きつきやすい王道の間。
- 小突き:細かくトントンとエギを動かし、警戒心を和らげつつ誘います。

跳ねて、止めて、またちょいと動かす。緩急をつけてタコの好奇心をくすぐるのじゃ。
「動 → 止 → 動」の繰り返しでタコのスイッチを入れる
タコにとって大事なのは“違和感”よりも“興味”。ただじっとしているだけでは見つけてもらえませんが、動いてばかりでも捕まえるタイミングがないのです。
跳ね上げなどでタコに刺激を与えたら、少し待ってみる。また動かして、止める。そんなリズムある誘いが釣果に繋がります。

メリハリが大事ってことかぁ~。じっと待つのも勇気いるなぁ…!
抱かせる“間”を信じる気持ちも大切
ステイやズル引きの最中、何も反応がないとつい動かしたくなってしまいます。でもその数秒間こそ、タコがじりじり近づいている時間かもしれません。
“止め”のアクション中は、穂先の微妙な変化に集中し、しっかりアタリを感じ取れるようにしましょう。

信じて待つのも釣りのうちじゃ。焦らず、タコの気配を感じ取るんじゃぞ。
代表的な誘い方パターンと組み合わせ例
タコ釣りでは、その日の潮の流れや水深、タコの活性によって有効な“誘い方のパターン”が変わります。ここでは、基本となる誘いの組み合わせをいくつかご紹介します。
① 跳ね上げ → ステイ
もっとも基本的なパターン。底からエギを跳ね上げてタコにアピールし、その後ピタッと止めて抱かせます。
- アピール力:★★★
- 抱かせやすさ:★★★

止めた時に、ぐぐっと重くなる感触がたまらないよね!
② 跳ね上げ → ズル引き → ステイ
跳ねた後にズルズルと引いて“動きの余韻”を残し、最終的に止める誘い方。タコに追わせながらじっくり抱かせます。
- アピール力:★★☆
- 自然さ:★★★
③ 小突き連打 → ステイ
トントントンと細かく動かして警戒心を解き、しばらく止めて抱かせるパターン。風や波がある日にもおすすめです。
- アピール力:★☆☆
- 食わせの間:★★★
④ ズル引き → ステイ
跳ね上げを一切せず、ズル引きとステイのみで自然に誘うパターン。プレッシャーが高いポイントや、タコがスレているときに有効です。
- 自然さ:★★★
- 目立たなさ:★★☆

スレたタコにはズルズル戦法が効くこともあるのじゃ。
⑤ 跳ね上げ → 小突き → ステイ
アピール後に小さな動きでタコの気を引き、そのまま食わせの間をとる中級者向けの誘い。状況によって非常に効果的です。

いろんな動きでタコの“やる気スイッチ”を探すんだね!
パターン選びは現場で調整!周囲の釣れ方も要チェック
どのパターンが当たるかは、実際に現場で試してみるしかありません。ひとつのパターンで反応がなければ、すぐに別の組み合わせを試す柔軟さが重要です。
また、周囲で釣れている人がどんな誘いをしているか観察するのも有効なヒントになります。

周りをよく見よ。釣れている人の真似は最大の近道じゃ。
自分の引き出しを増やし、その日の“当たりパターン”を探し当てることが、タコ釣り上達への近道です!
まとめ|誘い方を極めて、タコとの知恵比べを制そう!
タコ釣りの誘い方は、シンプルなようで奥が深く、その日の状況によって「当たりパターン」が異なります。跳ね上げ・ズル引き・小突き・ステイといった動きを、自在に組み合わせながらタコの好奇心を刺激することがカギになります。
そしてもうひとつ大事なのは、その場で変化に気づき、柔軟に対応する力。釣れている人のパターンを真似してみたり、自分の誘いを少し変えてみることで、釣果が劇的に変わることもあります。

同じ仕掛けでも、誘い方次第で全然釣果が変わるんだね!

タコ釣りとは“動かし方”の芸術じゃ。技を磨いてこそ真の釣り人じゃ。
あなたの誘い方がタコの心を動かし、価値あるタコに出会えますように。
ぜひ色々なパターンを試して、自分なりの“必殺誘い”を見つけてくださいね!